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更新日:2023年12月07日

議会活動

広報委員会視察
春日市と大刀洗町(福岡県)

議会広報常任委員会視察報告 
 
議会広報常任委員会では、去る11月15日及び16日の2日間、福岡県春日市、大刀洗町を訪問し、次のとおり視察を実施しました。 
 
○ 視 察 日 
令和5年11月15日(水)、16日(木) 
 
○ 視察地及び視察目的 
1 福岡県春日市(報告書P1~) 
(1) 議会だよりについて 
(2) 広聴会や議会報告会について   
2 福岡県大刀洗町(報告書P9~) 
(1)議会だよりについて 
 
○ 視 察 者 
荒井直彦委員長、窪田美樹副委員長、三浦大輝委員、星加代子委員、 
石岡実成委員、山田由美委員、笠原俊一委員(随行 保永主査) 
 
◇福岡県春日市視察概要(11月15日) 
1 春日市の概要 
 春日市は、九州の北部、福岡都市圏の中央部に位置しており、福岡市中心部まで 10 キロメートル圏内という利便性の高い住宅都市です。東西4キロメートル、南北5.34キロメートルのひし形に近い円形をしており、面積は14.15平方キロメートルで、福岡県内では一番面積が小さい市です。 
令和2年国勢調査によると、人口は福岡県の市町村で6番目に多い111,023 人、世帯数は46,442世帯であり、人口密度は九州地方で一番高く、7,846人/ 平方キロメートルとなっています。昭和 40 年ごろから福岡都市圏の住宅都市として人口が急増し、現在も微増傾向にあります。 
気候は比較的温暖で、平成28年から令和2年の年間平均気温は16.6度、年
間平均降水量は1,893ミリメートルとなっています。 
 春日の地名は春日神社に由来しており、市の有名な行事として、春日神社最大の祭礼である、婿押し祭り(別名「若水祭」)があります。前年中に結婚した新郎新婦を祝福する行事で、全国的にも非常に珍しく、平成7年には国指定重
要無形民俗文化財に指定されています。 
                     
2 視察概要 
「議会だより」と「公聴会や議会報告会」の2点について、春日市議会広報特別委員会 西村澄子委員長と議会運営委員会 髙橋裕子委員長にご対応いただきました。議会だよりの編集・発行は広報特別委員会が、広聴機能は議会運営委員会が所管しています。 
(1) 議会だよりについて 
春日市議会の発行する「かすが議会だより」は昭和47年6月1日に創刊され、年4回の定例会ごとに発行しています。編集は、今期(令和5年5月)から広報特別委員会のメンバー4名で行っており、担当委員会や役職は4年間の任期となっています。現在の西村澄子委員長は前期から議会だよりの編集に携わっており、今期から委員長に就任されています。春日市議会だよりは1期目・2期目という若い期数の人の持つ市民目線や感覚を活かして、レイアウトや掲載内容の選定等の変更・改善を重ねており、新たな取り組みを行った際の経験や編集作業の進め方などについてご説明をいただき、質疑応答を行いました。 
(2) 広聴会や議会報告会について  現在、広聴は議会運営委員会で所管しています。コロナ禍は市民からの申し込みもなく、議会からの働き掛けも難しくなかなか開催できなかった中、令和4年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、オンライン(Zoom)議会報告会を開催したとのことです。春日市議会の議会報告会は2部に分かれており、
1部では「委員会報告」として各委員会が所管事務調査等のテーマを決めて報告し、2部では「意見交換会」を行っています。今年度も11月18日(土)に議会報告会をオンラインで開催するとのお話でした。  
 視察では、オンライン議会報告会開催の手続や開催方法などについてお話を伺いました。 
 
3 委員所感 
<荒井直彦委員長>  西村議会広報特別委員会委員長(2期目)、髙橋議会運営委員会委員長(4期目)、議会事務局高村統括係長、林書記からご説明をいただきました。 
・議会の特色は、各議員の所属委員会の任期は4年間であること(議長も4年) 
・議会広報特別委員会では、広聴を担当しない、議運が担当窓口になる。 
 ・広報は特別委員会扱いで現委員長は西村議員、他3名 
 ・選任は、各議員からの希望者で構成されている。 
 ・4人のメンバーには、今年の春の統一選挙で発当選されている新人議員も含  
む。 
 ・いただいた議会だより 209、212、215の3冊・議会要覧 
 ・事前に質問事項に対しては、当日、回答書があり、各質問について説明を受
けた。 
視察テーマに沿った内容については下記の通りです。 
① 春日市の表紙についての取り組みとして、市民の応募から選択している 
・選挙区が4区である為、そこの地区から推薦で提案され委員会で決定 
・今までに応募がなかったことがあったのでその時は、議長の写真を掲載した 
ことがある。 
② 議会Facebookの発信は、委員長と副委員長の2名で行っていて議会事務局へ
の依頼作業や確認業務は、行なわない。相談はすべて、議長との調整で判断している。 
③ 議会だよりの特色として、一般質問の見出しには、第6次総合計画基本目標
の表題の1から5の基本目標の色と項目で分けて明記されている。 
④ 議会だよりの表紙の発行日の円の周りには、「議会だよりは市民とともに」と
いう文字を記載している。(190号からで、職員からの提案で始めている。) 
⑤ 春日市の議会概要から、議会事務局員は通常は7名。現在1名減で運営して
いる。 
・議会だよりの業者は、入札で決まるが、その業者は、春日市の議会だより以外
にも5から6議会を担当している業者で、この業界、この種の発行には精通し
ている。 
⑥ 「原案可決の印鑑表示イラスト」は、業者からの提案で採用している。 
葉山に置き換えられることとして、①③④⑥に関しては葉山でもすぐに導入可能であり、今後、委員会にて検討します。 
 
<窪田美樹副委員長> 
福岡県春日市「議会だより」では、常に16ページとページ数が決まっており、議会によっては議案数や陳情数、一般質問者数が違い、掲載記事をどのように調整、決定しているのか伺いました。葉山町との議案等審査のやり方に違いもあり、委員会審査報告としてまとめられているようでした。その中でも、絵柄を使い可決や同意をわかりやすく表記していました。 
一般質問では、目次ページを作り「一般質問とは」など説明も掲載されています。各議員の質問は1人ページに4人と、かなり制限されていますが、目次ページに質問項目を掲載されることで補っていました。 
全ページを通じ、内容によって文字フォントを変え、伝えたい・読んでもらいたい感を感じました。スペースに合わせたイラストや写真を細部にわたり使用することで、文字数への圧迫感が軽減されていると感じました。 
議会への住民参加として、議会だより表紙募集をされていますが、写真だけでなくインタビューも行い、モデルさんの様子や市や議会への思い・要望も語られていて、読み手としては想像を膨らますことができました。 
主に横書きであり、縦読みより読みやすいのかと感じました。 
広報委員の選定は、声上げ式とのこと。意欲に満ちた方々で編集されているのだと感じました。 
 
<三浦大樹委員> 
先進的な取り組み等によって、客観的に高い評価をえている他の自治体の「議会だより」の制作過程や制作体制を研究することを目的として視察をしました。 
体制上の工夫として、若手の議員がSNS、主にInstagramを通して、発信活動をしていました。その際に、ショート動画を制作して、短時間で視聴者に伝わる工夫もされています。SNS上での投稿の体制としては、製作者がダイレクトに投稿する形ではなく、他の議員が一度確認をしたものが投稿されるチェック体制が敷かれています。 
議会広報特別委員会のメンバーに若手とベテラン議員の人数比がバランスよく配置されており、若手議員の柔軟な発想や IT リテラシーを活用し、ベテラン議員がアドバイスをするような体制をとっていました。 
何年かまえに議会だよりのデザインの一新を行っていました。それまでと比較し、イラストを有効に活用したり、すぐに開きやすいようにページの見出しがあったりと随所に工夫がみられます。 
視察の成果としては、さまざまな SNS の活用の選択肢がありますが、今回
Instagramの活用については大きなヒントを得ることができました。ショート動画については若手議員がすべて制作を担っていたのも印象的でした。Instagram 内の機能であるストーリーズなどは利用していないとのことで、リスク管理の視点でも参考になりました。 
Facebook もアカウントの運用はしているとのことだったが、有効な活用は現段階では、なされていないように見受けられました。利用者層の観点やSNSの特性なども考慮すると、Instagramに絞るのが得策だとの知見をえることができました。 
 
<星加代子委員> 
春日市は人口11.3万人の穏やかな丘陵地、福岡の中心地、博多まで30分圏内という好立地のため人口密度が高く、平均年齢は 43.9 歳(福岡県平均 46.7 歳)と若い住宅都市です。今回の視察には議会運営委員会から髙橋裕子委員長、広報特別委員会から西村澄子委員長が参加されました。 
議会広報「かすが議会だより」は常任委員会ではなく特別委員会で、自主的に手を挙げた4人(うち2人は新人)の議員で結成し、議長も委員会に入っています。新人 2 名の参加により、2023 年 6 月から Instagram にてわかりやすく親しみある議会を目指し、議員の紹介や、案内など、議会活動を発信する新しい取り組みが開始されたとのこと。 
広聴活動については議会運営委員会が担当しており、対面による議会報告会のほか、オンラインによる議会報告会も開催しています。オンラインでは所管事務調査の報告後、委員会ごとにブレイクアウトルームに分かれ意見交換を行ってい
るとのことで活発に意見交換ができている点はとても参考になりました。 
 
<石岡実成委員> 
今回の視察では、春日市議会の「議会だより」について、メンバー(委員)のかかわり方や、作業内容、事務局との関わりといった、アウトライン的な部分と、紙面づくりに関する編成の仕方やアイデアなど含め伺ってきました。 
 まず、当町との大きな違いは、紙面レイアウト案の検討や公募制にしている表紙写真の応募者等への連絡など、各議員への連絡等に加え、各常任委員会の議案審査の概要や臨時会の審議結果、議会報告会などの原稿作成、校正、変更時の新たな記事の作成まで担っているというところでした。 
また、広報は特別委員会とし、SNS の発信を含め、議長を含め4名体制で作業をしているところや、広聴は、議会運営委員会が担当しているところも大きな違いでした。 
 どちらが良いのかは別にして、何れにしても、熱心な議員が積極的に紙面づくりや SNS 等での発信に務めているというところは、我々も見習うべき点でした。   
更に、議会だよりの構成や、読み手となる市民目線に特化した企画やレイアウトなどは、今後、当町でも積極的に真似るべき点だとも思いました。 
 
<山田由美委員> 
西村澄子広報委員長と、髙橋裕子議運委員長から、情熱あふれる説明を頂きま
した。より良い「議会だより」のため、参考にすべきポイントが多くありました。 
●表紙写真を公募している。 
●読みやすさのため、横書きに移行した。 
●議会運営委員会が本会議後に「振り返り」を行い、「視点・論点」コーナーを担当している。 
●一般質問は一人分が4分の1ページで、非常にコンパクトにまとめている。見出しで全容がわかりやすい。 
●公聴の機能を議会運営委員会に移したため、委員は6人から4人に減り、議会だよりとSNSに特化したが、まとまりやすくなった。若手が写真や動画編集を担当。 
●原稿段階での行政側チェックはなし。スケジュール的に無理。議会の責任で発行している。 
●任期が4年あるので、腰を落ち着けて取り組める。 
●デザイン変更時に多少の軋轢はあったが、市民感覚がある若手が必要なので、議長に盾になってもらって実行した。 
●初稿の時から業者に参加してもらっている。仕様書でそのように求めている。<笠原俊一委員> 
大都市である春日市では、20人の議員が総務企画・市民共生・こども文教の3常任委員会を構成しています。議会事務局職員も7人定数(現在6人)体制でした。 
広報特別委員会は各常任委員会から2人ずつ選出され、常任委員会と広報特別委員会の任期は4年間となっています。今回の視察対応の西村議員は、前期4年に引き続き編集委員をされ、今期は委員長として4年間勤められるとのことです。  
紙面構成やレイアウト案、各写真などは事務局職員が行っています。一般質問原稿は質問者、報告は各委員長、委員会の審査報告や全原稿の校閲とホームぺージ管理や調査研究等について4人の編集委員が行うとのことでした。都市レベルでの仕組みと感じましたが、市民への広報の方法がたくさんある中で、町村議会に近い比較的個性を感じる広報紙になっていると思いました。 
常任委員会化についての議論は過去されたことがあるが、現況変化には至って
いないとのことでした。 
 
春日市議会での視察の様子 
 (左)議会運営委員会 髙橋裕子委員長 
春日市議会Instagramページ 
        (右)広報特別委員会  西村澄子委員長 
  春日市議会 Instagram 運用 ◇福岡県三井郡大刀洗町視察(会場:久留米市 久留米リサーチ・パーク)概要 
(11月16日) 
1 大刀洗町の概要  大刀洗町は、福岡県の中南域を占める筑後平野の北東部, 筑後川の中流域北岸に位置します。 総面積は22.84平方キロメートルで、東は朝倉市、南は久留米市、西は小郡市、北は小郡市と筑前町にそれぞれ接しています。昔ながらの風景が残る町ですが、電車では、約1時間で博多・天神へ行くことができ、大分自動車道のインターも近いなど、福岡都市圏や周辺地域へのアクセスも良好です。令和2年度の国勢調査での人口は15,521人、世帯数は5,616世帯で、平成27年度の調査時より人口、世帯数ともに増加しています。 
大刀洗町の由来は、正平14(1359)年8月、大保原で小弐頼尚を破った菊池武光は敗走する敵を追撃して山隈原に進出し、その途中で立ち寄った町の小川で血まみれの刀を洗ったことから、この町は「大刀洗町」と名付けられたそうです。 荒ぶる馬の手綱を引き、片手に刀を構える勇ましい姿は大刀洗町のシンボル的存在となっています。 
  
2 視察概要 
「議会だよりについて」をテーマに、議会広報常任委員会の平山賢治委員長に久留米市の久留米リサーチ・パークまでお越しいただき、ご対応をいただきました。 
(1)議会だよりについて 
 大刀洗町議会の発行する「たちあらい 議会だより」は、議会広報委員会委員5名で編集し、年4回発行されています。委員は、立候補に加え、期数や他委員会とのバランスを考慮し選任されているとのことです。「たちあらい 議会だより」は、全国議長会主催の「町村議会広報コンクール」で平成27年以降毎年入賞しており、直近の令和4年は優秀賞(第3位)を受賞しています。平山委員長は長年にわたり議会だよりの編集を手掛けており、試行錯誤しながら、手に取ってもらい、読んでもらえる紙面づくりに取組んでおり、議会だよりの編集方法や編集の際の留意点などについてご説明をいただいたのち、質疑応答
を行いました。 
 
3 委員所感 
<荒井直彦委員長>                                 
自分の意志として、最初の言葉は、「議会改革の1丁目1番地は、議会事務局の強化」と思っています。とまず、お話されてから説明を受けました。 
・頂いた議会だよりは177,178,179,180の4冊 
・議会だより作成のマニュアル(平山委員長作成) 
・議会の構成は、12名 所属委員会は2年の任期 
・経過としては令和5年9月24日の選挙があり、6名の新人議員が誕生している。 
・平山委員長は7期目。議会だよりは8年連続で入賞している。 
・事前の質問事項に対しては、当日、各質問について説明を受けた。 
・議会広報調査表の配布があり、本題に入る前には、議会だより全体の概要がすぐに理解が出来て、私自身は、すごく感銘を受けた。 
その他、視察内容は下記の通りでした。 
① 平山委員長の言葉では、できる限り他市との比較をする。 
② 議会だよりの表紙には、入学式や運動会が定番であるから、差別化が必要   
である。 
② 全員協議会で知り得た情報を、町民対して知らせることを、心がける。 
③ 一般質問での町側の答弁において、検討中は、すべて、追いかけるので、 
最近は研究中になる答弁が多くなってきてしまい対策をすることがこれか
らの課題である。 
④ 180号は、選挙後の最初の議会だよりで、当選した議員が普段着で掲載
されているが12名全議員で話し合い、決めた。 
⑤ 入札条件が72ページでの契約(回数は4回) 
⑥ 入札条件に委員会に出席する契約 
葉山に置き換えることとしては、委員会の開催数や入札諸条件も含まれるので、一つ一つ丁寧に課題を検討し、進めることが大事だと思います。 
また、今回の視察に関しては、大刀洗町の議会事務局の女性の機転と平山委員長のご配慮があり、改めて、感謝を申し上げます。 
視察を受け入れていただき、そして「実のある」実例を学ぶことができました。 
最後に平山委員長からは、来年、年明けに議運の視察で神奈川に伺うので、その時には、よろしくお願いしたいとのことでした。 
 
<窪田美樹副委員長> 
広報委員会委員長さんから、自ら作られたパワーポイントを使用して説明を受けました。 
議会だより編集にずっと携わってきた委員長のまず第一声が「議会だよりをよくする要は事務局の強化です」とのこと。議会だよりのベースがここまでできている議会でも、事務局の方への要望は大きいのだと思いました。 
 視察中には一部分しか使用できなかった大刀洗町議会別冊資料ですが、議会だより編集や発行の要綱がとても分かりやすく、議会だより編集に関わらない議員にも伝わりやすい資料となっていました。また、広報委員の活動や編集作業の段取りがよくわかり、議案内容など記事の内容は後から差し込むという考えのもとレイアウトを事前に考えられていました。葉山町議会でも作業前に少しは決めていますが、踏み込み方が全く違いました。議案や陳情審査の方法は春日市さん同様、葉山町と違い議会だよりに掲載までとならないようですが、住民参加の企画をさまざま考えられ、住民と議会がとても近くに感じられました。写真を多く使い動きが感じられる紙面でした。 
 一般質問掲載部分に文字数を決めた「議員のつぶやき」があり、各議員の質問内容へ思いが感じられます。質問への答弁に「検討する」と行政側からよく聞かれる答弁に感じますが、大刀洗町議会では質問追跡制度があり、Pick up記事として掲載され住民の方の関心も深まると感じました。この制度ができてからは、行政側からの「検討する」はかなり減ったとのことでした。 
 議会だより編集に限らず住民参加への手法、SNSの利用、発信など、他自治体の良いとこどりをしていきながら、読みたくなる議会広報、住民参加の議会を目指します。 
 
<三浦大樹委員> 
先進的な取り組み等によって、客観的に高い評価をえている他の自治体の「議
会だより」の制作過程や制作体制を研究することを目的として視察をしました。  
・議会広報委員会は5名体制で、うち一人の議員がデザインを含む編集作業に  
大きな力を発揮されている様子だということが伺い知れた。 
・編集にあたっては、以下の点に留意をされていた。 
① 言語:行政用語を排してわかりやすい表現。専門用語には注釈をつける。 
② 正確性:質疑や数値など、必要な部分は執行部に回覧し意見を参照する。 
③ 紙面:本文を詰め込みすぎず、写真や資料のバランスを適切にする。 
④ 企画:議会が実施する広聴活動ほか、広報委員会の独自企画として、10代へ   
のインタビューや予算審議の「私もひとこと」、議会改革に関する特集など。
議会活動と連動して、住民との双方向型の紙面づくりをめざしている。 
視察の成果としては、一人の広報委員の議員が本人の専門性をいかし、デザイン等で大きな力を発揮されている様子が垣間見れました。印刷会社の選定プロポーザルではデザイン性のような評価基準をあらたに作り、議会と二人三脚で歩みを進める必要があると感じました。デザイン等のプロがいることで紙面の質が担保されるという属人生な高さは、今後の編集体制の課題であるとも感じました。
これまでの常識に捉われず、紙面の企画をしていくことは大変参考になりました。<星加代子委員>  大刀洗町は人口1.6万人、山も海もない平地で農地が6割の町です。今回は議会広報委員会の平山賢治委員長からお話を伺いました。広報委員会は 5人中3人が新人議員。平山委員長は7期目で、広報をずっと担当されており、また、印刷・デザインも同じ業者さんがおこなっていることからフリーハンドのラフからページを起こしていくノウハウができているとのこと。大きな見出し、私服での議員紹介、新有権者(17歳)の声など雑誌のように読みやすい構成は好感が持てます。文章の表記は共同通信の「記者ハンドブック」を使用して統一しているとのこと。 
平山氏は議会運営委員会の副委員長も兼務されており、広聴については議会運営委員会が担当しているとのこと。トライアルで一般質問を土日に開催する、
Facebookでの発信など積極的な姿勢も参考になりました。 
 
<石岡実成委員> 
全国町村議会広報コンクールにおいて、8年連続で表彰を受けている大刀洗町議会さんの紙面づくりは、更に興味深く、また、聞きたい事が盛沢山でしたが、自身が広報常任委員会委員長を務めさせて頂いた時は、大いに真似をさせて頂き、結果、葉山町としても、初のコンクール入賞することが出来たという思い出もありました。 
 勿論、大刀洗町議会さんも、先に訪れた春日市議会さん同様、委員会のメンバーが積極的に広報紙作成に携わっているのですが、特に、こちらは、コンクール
8年連続に携わる以前から、同じ議員がずっと続けて広報委員を担っている所が大きなポイントだとも思いました。 
 また、何より、通常は原稿の流し込みで作られるはずの紙面ですが、大刀洗町議会さんの議会だよりは、一般質問ページ以外のほぼすべてのページが、フリーハンドで構成されている魅力ある紙面づくりで、結果としては、そのラフ原稿をカタチにする制作会社さんがまた素晴らしいという事に尽きてしまいます。  聞くところによると、3社見積りで業者選定はているようですが、やはりずっと同じ制作会社さんと二人三脚で紙面づくりが出来ていて、意思の疎通を含め最強タッグが組めていると、担当者の方からの説明がありました。 
 定型フォーマットに文字を流し込んで、新聞のような議会だよりは、これからの時代にはそぐわないかもしれません。フリーハンドで描く、見た目の美しさや余白の美学に拘るからこそ、読みやすくシンプルなレイアウトになっていきますし、発想やアイデアも膨らんで、結果魅力ある紙面へと変わっていくのだと思いました。 
 是非ぜひ、良いところは大いに真似て、今後の当町の議会だよりに生かしていければと思いますし、業者選定に関しても、コミットしていければと思いました。  また、大刀洗町議会さんでは、広聴機能も充実していて、定期的な議会報告会に加え、その結果や回答を議会だよりでしたり、議会モニター制度を設け、積極的に町民の声を吸い上げる作業をしています。更に、各種団体との意見交換は勿論のこと、議会活動の検証や休日議会も開催していたりと、先進的な取り組みもしています。 
 今回の視察は、とても学びの多い視察になりましたが、両議会の視察を通して強く感じたことは、議会だよりの紙面づくりは、議員の想いだけは成立しづらいという点です。とはいえ、「全ては町民のために」を合言葉に、良いところはどん
どん真似て、議会だよりも、広聴機能も充実させていたいと思いました。 
 
<山田由美委員> 
編集の達人である平山賢治広報委員長から、読まれる紙面の秘訣を教わりました。 
・正確とは、そのまま書くことではない。正確に要約すること。 
・デザイン・レイアウト優先。見出しを大きく。本文は余った所でよい。 
・一般質問に「議員のつぶやき」を導入。負け惜しみではなく、建設的な意見を
載せる。 
・予算関連では、動きの見えるデータを載せる。 
・議案の賛否一覧表は、番号順ではなく、属性ごとにまとめる。 
・報道機関へのプレスリリースを行っている。 
・フェイスブック投稿は事務局を通さず、委員長と副委員長、議長の判断で。 
・他自治体の良い点はどんどん取り入れる。 
・業者選定の時、原稿のラフを渡して、どのようにデザインしてくれるかを見る  
議会もある。 
・「新有権者の声」で若者の声を載せているが、校区ごとに載せていくので、知り  
合いや子育てサークル、学童などで探している。 
・議案は生き物なので、見せ方は政治的判断で決める。 
 なお、本会議で議案に対する質疑を一回行ってから、全員協議会を開き、そこで自由討議を行うそうです。この議案のここが気にかかる、この点を追及したいなど、釘を刺したい所8割方共通するそうです。それが修正可決につながる効果が出ているとのことでした。 
春日市、大刀洗町の先進的手法は、そのまま真似できない部分もありますが、取り入れるべき部分は取り入れ、葉山町の議会広報に生かしていきたいと思います。 
 
<笠原俊一委員> 
視察先の多忙な日程調整から、行政視察で庁舎や議会以外の会場(久留米リサ
ーチ・パーク)で、職員なし委員長だけの珍しい対応で記憶に残る視察でした。 
〇 議会の構成は、議員定数12人  
〇 3常任委員会は総務文教厚生委員会5名・建設経済委員会6名・議会広報 
委員会5名で構成している。 
〇 特別委員会は議会活性化委員会 予算特別委員会(3月)決算特別委員会
(9月)は全員で構成している。 
〇 議会運営委員会5名で構成している。 
7 期目で大刀洗町の最多当選回数、編集委員会ベテランの平山賢治委員長が今回の視察に一人で対応。総務文教厚生委員会委員、議会運営委員会副委員長及び広報常任委員会委員長を務めています。レイアウトは委員会でラフデザイン(平山委員長によると思われる)を提案、その後印刷業者により紙面構成。予算や年間ページ数も規定があるが、柔軟性があります。業者契約は3社見積もりの入札制ではあるが、ラフデザインからの紙面作成が条件での業者選定で、対応できる業者は固定化傾向とのこと。 
斬新なレイアウトや誌面構成、全国町村議会広報クリニック参加など、他自治
体広報を参考に良いところはどんどん取り入れる姿勢とのことでした。 
 
議会広報委員会   平山賢治委員長  大刀洗町議会facebookページ大刀洗町議会Facebook  
 
 
会場となった久留米リサーチ・パーク前で平山委員長と 
 
以上、ご報告いたします。 
令和5年12月13日

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